風格を求めて
フォトグラファーを志した頃に憧れたアメリカ製のプロ用カメラバッグ。あの独特の異物感、見たことのないデザイン、硬い素材、凄まじく高い価格。そういう一瞬近づくのをためらうようなハードルを持ったもの、そういう物が知らない世界の存在を暗示し、また憧れの対象だった。一眼レフの頭の出っ張りもそうだ、コンパクトカメラにはない近づき難さがあり、そこにチャレンジする意味や先に広がっている写真の荒野を感じた。 今、そのような無骨なアメリカ製バックは軒並み生産を中止、ユーザーフレンドリーで安価な中国製となり、当時の風格を全く失ってしまった。そうだ、失ったものは風格なのだ。
IND-300 このカメラバッグを初めて見たときに感じたものは、若い頃に感じたあの「異物感」に似たものだった。サイズは小ぶりながらその存在感は強い。ざっくりして張りの強そうな生地と、見るからに丈夫そうでかつ品のあるレザーのコンビネーション。そして高さを抑え前後に段差のある不思議なデザイン。 パッと見たところ機能性を全く感じない、、、、高い、なのに、なんだこの惹かれる感じは、。。