今年の4月から「写真」の授業で非常勤講師を務めている長岡造形大学にて、いつものスタジオ実習とは違う180分の特別講義をセミナー形式で行った。話をしたのはクリエイターの仕事とは、どうやってフォトグラファーになったのか、実際のコマーシャルフォトグラファーの仕事はどういうものなのか、といった現役クリエイター非常勤講師ならではの話。海外での撮影の話や映像監督とのエピソードなどちょっと普段の実習講義に比べるとエキセントリックな感じだったかもしれないが、皆熱心に聴いてくれた。海外に興味を持ってくれた学生の感想や、社会貢献や環境についての質問などに混じり、質問はだんだんリアルな学生の悩みへと変わって行く、「どうやって写真と向き合えばいいのか、、いま悩んでます。」とか、「いま思っている写真への取り組みが正しいのか、何を信じて頑張ればいいのかわからない、」とか、涙を浮かべる学生も、、まあ、みーんな悩んで大きくなる物なので、悩んでいる事に少し安心しつつ、僕自身がそうやって悩んでいた時の事や、夢中になっていた事などを恥ずかしながら話して行くと、目の輝きが変わってきた。恋愛の話など、やはり目の色が変わる。そうそう、それでいいのだ。まずはカメラを忘れて夢中になれる事を見つけるのだよ! またひとつ印象的だったのは、僕のウェブサイトに乗せているモノクロの風景写真を見つけて「これはどうして白黒なんですか」と聞いてきた子がいた。僕が写真を学び始めた時はモノクロが基本で、カラーは特殊写真研究だったのだが、今は逆なのかもしれない。この学生には僕のモノクロ論を伝えたら「はうーん。そいいえば、そういう事ですね」みたいな不思議な顔をして、半分納得したような未知の思考に触れたような感じだった。その話はまた別の回にしようと思う。