とある深夜、サブシステムのスピーカー接続を急にバイワイヤリングにしたくなり、
ごそごそとケーブルをつなぎ変えた時に、やっぱりか、、が発覚した。左のツイーターから出てる高音がおかしい、、寸づまっていてチャカチャカとオモチャみたいな音になっている。スピーカーはB&WのCDM-1 SpecialEdition。オークションで落としてもう15年ぐらい使っているので元はとっくにとっているのだが、社会人になって忘れていたオーディオ趣味に僕をもう一度引きづりこむきっかけになったスピーカーで、結構気に入っている。
当時はこの小さなスピーカからこのスケールの音が!とちょっと話題になったスピーカーのスペシャルエディションだ。今ウチではリアサラウンドやサブシステムという扱いではあるのだが、そのポテンシャルは高く、最近サラウンドのリアからピュアのシステムに格上げしたばかりであった。のでまあ、なんとか治したい。で、早速輸入元に連絡したがもうパーツがなくて修理が受けられないという。。
諦めきれず色々と調べた結果。もしかしたら自分で治せるかも、と思わせるブログに遭遇(こういうの本当にありがたい)早速必要なものを手配してバラシにかかった。
さて、その症状から行う修理(メンテに近いが)はツイーターの磁性流体の交換というもの。磁性流体というのは液体の磁石みたいなもので、このツイーター、ボイスコイルがその磁性流体なるもので浮いているような状態というか、マグネットの円形の溝に浸された磁性流体に差し込まれたボイスコイルはその磁力で位置が決められ、液体ベアリングという状態で運動をサポートされ、冷却も行っているという。。
詳しくはこちらソニーさんのページで。ここでは磁性流体を使ったフルレンジの開発について詳しく出てますね。
https://msc.sony.jp/member/enjoy/products/feature/20130731/
あるいはこちら http://www.ferrotec.jp/products/magnetism/speaker/
これ、何かに似てる、そうだ、確かガンダムがアムロの反応速度についてこれなくて関節を磁石で浮かせる非接触型に変えて動きを素早くしたマグネットコーティングに似てるじゃん!!おーなんか萌える!(笑)俺のスピーカもマグネットコーティング(施工し直し)だー!
で、つまるところその磁性流体が劣化してくると粘ついた感じになりボイスコイルの動きに抵抗が生まれ(この辺がRX78とは違うところ)結果ちゃんと音が出なくなるという。さらに色々と調べて何例か同じ症例も確認。よしそれじゃやってみっかという事になったのである。
まずはツイーターを取り外し、バラバラにする。このモデルはイギリス製時代のもので今はこのクラスはもう中国製になってしまっている。そのせいかどうかは分からないが工作精度も高く、非常にスムースに分解できた。木製のキャビネットにハマっているプラスチックのツイーターカバーはそれなりに厚みがあるが隙間なく綺麗に収まっていた。ネジを外しただけでぽろっと取れるのではなく、外して引っ張るとスッと抜ける感じ。んん、いい感じ。ドイツ製のエラックとかはもっといいんだろうなあ、。
問題の磁性流体だが、スピーカー用がちゃんと売っているのである。すごい。同じツイーターを持つトールボーイのCDM-7SEも持っているので念のため2個購入。キット見せの写真がないのはブログ歴の浅さのせい。。取説とチューブと拭き取り紙のセットでした。
http://www.baysidenet.jp/c-item-detail?ic=PEPT1601
さて、まずは古い磁性流体をマグネットから取り除く、キットに入っている隙間に差し込んで掃除をする紙が非常に便利!!。なんて気の利いている。。(取説は英語だったけど)
こうやってマグネットにその紙を差し込むと磁性流体が染み込んでくる。これをじゃんじゃん繰り返す。ジャリジャリした砂鉄みたいな物もあるのでそれは楊枝でほじくって出す。
この紙が綺麗になるまで繰り返し、レンズクリーニングペーパーで仕上げて。さああ。新しい磁性流体を再充填である。
これがスピーカ用の磁性流体。この量で1300円は安くないが、メーカー修理だとユニット交換で工賃含め4万ぐらいかかるというので(結局パーツなしてダメだったけど)これぐらい安いもんである。しかもメンテを楽しめる(笑)
磁性流体というだけあって磁石に張り付くのが面白い。充填もこの溝にじわじわと入れて行こうと思ったら引き寄せられてプルン!と入っていった(笑)撮影する暇もなかった。。
さてさて、メンテを無事終えて・・
見事に高音復活!!素晴らしい音が帰ってきました!!作業も簡単だったのでもう片方も同様の作業を行いリフレッシュ。いやあ、治っちゃったよ。
メンテ前とメンテ後のツイーターの音のみを動画で記録、比較して見たのでご興味のある方は是非ご覧ください。(バイワイヤできるスピーカーはこう言うチェックが出来て良い)
と、言うことで、今は目の前でLUXMANのアンプにバイワイヤリングで繋がれ、結構ないい音で鳴っております。しかしメーカーにもう治せないって言われた時に、本当にダメだったら次に何買おうかも考え、すでにエラックのBS312に決めていたのは内緒である。。こっちの夢は儚く消えた。
あー楽しかった。