先日、1年半17回の連載を終えた南雲暁彦のStill Life Imaging は、スチルライフフォトのかっこよさ、面白さ、楽しさ、を全力で表現してきた。
そして、その集大成がここに生まれたこの「Still Life Imaging スタジオ撮影の極意」である。
表紙デザイン
連載で掲載した全内容に加えて、バリエーションカットによる巻頭グラビア、使用した全てのカメラのインプレッション、ブツ撮り最強TS-Eレンズ特集記事、プロローグ、エピローグインタビューが掲載されている。
巻頭グラビアより。
この手のライティング本は複数のフォトグラファーが得意技を持ち寄ってオムニバス形式で作る事が多いのだが、今回は全てひたすらに僕のチームでやらせてもらった。
毎月のアイデア出しやライティング設計、本番撮影、原稿執筆とかなりの仕事量だったが、「単著での出版」という魅力的な目標があったお陰で頑張りきる事ができた。僕の想いが一気通貫で表現できる。その全ての責任を負うことができる。これは覚悟を背負う上で大事な事であり、幸せな事であった。
撮影テクニック
また、僕の企画を具現化していくにあたり被写体になるカメラを貸してくださったり、撮影機材を提供してくださったり、撮影に協力してくれたり、色々な人の協力があってここまで来れた。そのことに深く感謝したい。けして僕一人の力ではない。
連載時には語らなかった僕のこの撮影やクリエイティブに対する考え、この本を発行するにあたっての想いをプロローグと巻末インタビューに掲載する事ができたことも嬉しく思う。この語りをもってして一冊の本にまとまったと思っているので、その辺にも目を通して貰えると幸いである。
あらためて言わせてもらうならば、「Still Life Imaging スタジオ撮影の極意」は体裁としてプロフェッショナルフォトグラファー、あるいはそれを目指す人のためのハウツー本となっているが、僕はそれだけのつもりでこの連載を続けてきた訳ではない。
カッコいい、楽しい、美しいビジュアルはそれを見た全ての人々の感性に刺激をあたえるだろう。そんなビジュアル創りを目指してきた。
様々な人達が、自分の仕事や趣味のフィールドにおいて、普段の生活の中で、新しくチャレンジする世界の中で、それを豊かにしうるイメージやアイデアを持つ。その種となること、それが僕の本書におけるもう一つの目的なのだ。
2019.10.30
南雲 暁彦